Raspberry Pi 400の期待と現実

電気代が高くなってきたので、常時起動させてるデスクトップPCの代替としてRaspberry Pi 400を買いました。 ちゃんとレビュー調べてラズパイを買ったつもりだったんですが、実際買ってみると思ったよりもアレだったので備忘録を残しておこうと思います。 ある程度Linuxに自信があっても変な期待を持って買っちゃだめだよというお話です。

なお、この記事は一応ラズパイで書いています。秋月電子が起動用SD付きでも安かったのでおすすめです。

Raspberry Pi400 日本版 スターターキット: マイコン関連 秋月電子通商-電子部品・ネット通販

2022/11/10 20:36 補足

そういえば、使っているOSについて書いてなかったですが、 Raspberry Pi OS ではなく Manjaro ARM KDE Plasma をインストールしています。 YouTubeの検証はラズパイOSでも行っていますが、ある程度はManjaroやKDE由来の問題もあるかもしれません。ご了承ください。

期待と現実

このマシンでYouTubeを見るのはキツいという話。

ちゃんとレビュー調べて買ったという話ではあるんですが…。

ラズパイでもちゃんとYouTube見れたよというレビューがあったので、Linuxが動くおもちゃ以上の使い方ができるんじゃないかと思って買ったところがありました。

期待は悪い意味で裏切られました。 YouTubeではどんなに頑張っても実用上は480pが限度です。(ビデオメモリ500MBとかにしてh264固定にする拡張入れてもだめ) YouTube Liveとかを見ようと思うとかなり厳しく360pが実用限界に感じました。実際のところ、これでもコマ落ちします。

そもそもYouTube のトップのレンダリングにかなり時間がかかるんですよね。(数秒かかります) チャットの読み込みのレンダリングにも時間がかかるのでHyperChatとかを入れたほうがいいです。 それでも重いです。

あと、なぜか日本語フォント(noto-font-cjk)や絵文字フォントを入れるとNotoのママでもレンダリング負荷はマシにはなったので、入れておきましょう。

仕事中のサブモニタでYouTubeを見たいというのが、この機械を買った主な願望だったのでその用途を満たせるとは思ったんです。 この用途ならFire TV StickかChromecast with Google TVを買うべきでした。反省しています。

LinuxのARM対応バイナリ少なすぎ問題

これはほんとに切実です。AMD64(x86_64)のバイナリは大体のソフトウエアがあるんですが、AArch64(ARM64)どころかARM32も全然この世にありません。

探して見つからなかったバイナリ群を列挙してみます。

結局色々考えてManjaro KDEを使っているんですが、AURでghqをインストールできなかったりとトラブルはたくさんあるのでやっぱりまだ発展途上なんだなという感じがあります。

頼みの綱のLinuxbrewが入らなくて本当に困っています。全部AURあったのでなんとかなりましたが…。

M1 Macぐらいの性能のマシンが出れば状況変わったりするんでしょうか。 まともに同期の使えるブラウザが少なくて悲しいです。 VivaldiならARMバイナリあるっぽいんですが、逆に信用できないのでChromiumで我慢しています。Vivaldiでもどうせ軽くないだろうし。

あ、1PasswordならARMバイナリ一応あります。一応というのは理由がありまして、debとかrpmとかがないからです。それなら無理して入れなくてもいいやってなりました…。

4Kモニタ不具合発生

いまMateViewという4Kだけど3:2という超絶レアなモニタを使ってるんですが、これをつなぐと不具合が発生します。GUIがフリーズします。 すべてが特別な感じなので事例がレアすぎてトラブルシューティングもできません。(他は全部FHDで4Kモニタ持ってない)

Manjaro KDEじゃなくてRaspberry Pi OS(LXDE)なら動いたので単純にKDEが悪い感じも否めないですが、今どきっぽく使いたい欲求には答えてくれないのでどうにも辛い感じです。

つないだ瞬間フリーズするからどうすればええんや…。偶然FHDでうまく動いたあとは動き始めたんですが、設定を4Kにした瞬間に壊れたのでもうだめです。 たすけて…。

そんな逆境でもVisual Studio Codeは動く!

悪いことばかり言っててもしょうがないのでいいことを。 MSさん、Edgeは出してないのにVSCodeのARM版はあります。

ちゃんとまともに動きます。nodejsの開発とかなら普通に使えるし、最近ならCodespacesとかもあるので色々余裕があります。

fcitxとmozcいれれば日本語入力もできてそれなりにまともに使えますし…。

結論

動画目的ならAndroidベースの専用機(FireTV)を買え。他の目的にも使いたいなら、x86のスティックPCとかノートPCを狙え。(あれもスペックは厳しいらしいですが、開発用途以外ならChromeOS Flexとかでなんとかなるはず…)

今回のおすすめ作品

偽聖女クソオブザイヤーが面白いので読んでください。お願いします。

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