株式会社ドワンゴを退職しました。

はじめましての人ははじめまして。そうでないひとはお久しぶりです。本日付で最終出社日を迎えるエンジニアの猫ロキP(@deflis/id:deflis55)です。

ドワンゴはすごく好きな会社ではあるのですが、新卒で入社して10年以上勤めたドワンゴを離れて、はてなのノベルチームで働くことになりました。

本当に好きな会社で、どうしても人とお金が足りてないなとか色々思うところはあるんですが、それ以上に出版業界に情熱を傾けたいところが強くなってしまって、転職を決意したのでした。 何を考えて転職を決意したのか、言える範囲で説明します。

入社した経緯とドワンゴとの関わり

2011年の新卒で、ドワンゴに入社しました。実はいろんなネット系の企業に申し込んで最終面接も数社進んでいたのですが、内定をもらえたのはここだけでした。(このときははてなも検討していましたが、東京で働きたかったので申し込みすらしていませんでした。もちろん、カクヨムもまだリリースされる前でした。)

もともと、ニコニコ動画のヘビーユーザーで、プレミアム会員リリース時から利用していて、いまでもそれを維持してるぐらいには好きなサービスでした。なので、そのサービスに携わりたいと思って、会社を選んだのでした。 最初の5年ぐらいはニコニコ動画に関わる部署ではなかったのですが、ここ最近ではまさにやりたかったニコニコ動画のサービス改善を色々と行いました。URLが自動リンクになるようになったり、生放送と連携して投稿動画がみんなで見れるようになったり。表に見える改善も表に見えない改善もいろいろやっていました。

ドワンゴの良いところ

改めていうのですが、ここまで転職の手続きが進んでも、いまだに後ろ髪を引かれる思いがあるぐらいにはこの会社に愛着があります。

とくにSlackの空気感がよかったです。同好会でいろんな趣味の情報交換がなされていて。いろんな同好会があって予算もちゃんと出るとか。そういうところで福利厚生がしっかりしていて、とても好感を持っていました。 (そういえばSlackにはにじさんじの一時期までの全員のアイコンがあったりとかしましたし、なぜか「それはそう早瀬走」のリアクションが追加されたのはちょっとびっくりしました。KADOKAWAグループの誰が追加したんだろう…。VTuber情報のキャッチアップにSlack使ってたので、はてなにも熱心なにじさんじのオタクがいることを期待しています。にじさんじ箱推しです。)

また、コロナ禍で全然活動していないのですが、ドワンゴボードゲーム部で遊べなくなることは本当につらいのでなんとかしたいところです。ボドゲ会するなら誘ってください。行きたいです。

開発面でも、Github Enterpriseを使ったレビューなど、割と一般的なフローで行えていたと思います。完全フルリモートで、最近ではその支援ツールの試験運用が始まったりなど、リモートでも働きやすい環境のための準備は着々と行われているように感じました。フルリモートという言葉に魅力があると思う人は是非ドワンゴに入ってみたらいいと思います。

転機

2018年ぐらいにはじまったVブームに伴って、なぜか小説出版の方々と仲良くなることができました。そこでちょっと考えることがあったのです。

滅びが近い出版業界を復活させる、たったひとつじゃない冴えたやり方」はなんだろうかと。出版業界で、自分が何か貢献できることはないだろうかと。

出版とエンジニアリングが交わる箇所は大きく3つあると考えています。「電子書籍」と「漫画アプリ」と「小説投稿サイト」です。 そこで考えたのが、自分はCGMサービスに関わっているということでした。 そう、小説投稿サイトはCGMであるということでした。いま、まさに大きく成長しているサービスでこれからの出版業界を支える柱の一つになるのではないかと考えています。なので、転職先の候補はまず小説投稿サイト、そして漫画アプリや電子書籍サービスといったところを二次候補とすることにしたのでした。

ここで、小説投稿サイトがなぜいま注目されているのかというところについて語りたいと思います。

コロナ禍になってから、生活様式の変化に伴って人々のエンターテイメントへの関わり方が大きく変化しました。 YouTubeニコニコ動画TikTokのような動画サイトがコロナ禍によって大きく成長したのと同様に、小説サイトのようなテキストを提供するサービスや漫画アプリのような、家を出ることなく物語を得ることができるサービスの人気が急上昇しました。

それによって小説家になろうでは、飛躍的にランキングでの獲得ポイントが上昇しました。 しかし、このアクセス数の急上昇は意外な副作用をもたらしました。特定のジャンルだけが人気を得て、他のジャンルに陽が当たらなくなったのです。 それによって、人気を得なかったジャンルのユーザーが路頭に迷い、カクヨムに民族移動する現象も発生しました。

これによって、ただでさえ伸びていたカクヨムがさらに勢力を増すことになり、二番手の立ち位置を確固たるものにしたと考えています。個人的にそういう分析をしたところで、カクヨムを開発するはてなに転職を決意しました。

小説家になろうを開発するヒナプロジェクトも検討はしたのですが、現在求人を行っていないことと、過去の採用情報を見るに年齢的にちょっとだけ下の世代が多いことなどから見送ることになりました。

これから、カクヨムが完全なる二番手として盤石なものとなるように、小説を書く人、読む人、それぞれにとって最適なプラットフォームでありえるように微力ながらも努力を進めていきたいと思っております。

今後のキャリアプラン的なことについて

ドワンゴでは、バックエンド寄りのフルスタックという立ち位置ながらバックエンドだけでなくフロントエンドも担当していました。 インフラ分野は興味はあったのですが、立ち位置上なかなか手を出すことが出来ず歯痒い思いをしていました。 今回の転職を機にバックエンドやすでに技術を身に着けているReactだけでなくAWSのインフラやGraphQLなど、まだやったことのない新しい技術のキャッチアップを進めていきたいを思っています。

改めて

もう全然ペーペーと言えない年齢にはなりましたが、初心を忘れず果敢に新しいことに挑戦していきたいと思っています。 実は、ちょっと前に父親も転職しましてそのときからずっと「昔やってたことの延長だけども、新しい資格を取って更にステップアップするぞ!」と息巻いていたのをきいて、自分も新しいチャレンジをしたくなったという事もあったりしました。 チャレンジって大事だなと思います。

出版業界は滅びが近いとは皆言いますが、ライトノベルという文化の種を絶やさないために、編集者になるという道以外でライトノベルを救う方法を考えたらこうなりました。 まだ編集者にもなりたいとは思ってますが、そうでなくてもまだ出版業界が救えれば道はあると思っていますので、果敢に色々挑戦していきたいです。 もし、ライトノベルにかかわることがなくなったとしても他のエンタメやCGMに関われるお仕事をできるだけやっていきたいという気持ちがあります。 CGMからCGMへの転職なので、CGMのプロとして今後も様々な観点から色々言えることを言っていきたいと思います。

拙い文章ではありますが、出版業界の方々にこの熱意が伝われば良いなと思っております。 なろうじゃなくてカクヨムでスコップ、普通にありだと思いますよ!!!

以下おまけです。

たぶん書籍化の決まってないカクヨムのおすすめいくつか

書籍化オファー行っているといいな…って思っている面白い作品群です。 個人的なオススメ度順に並んでいますが、どれもどこかしらが面白いです!

kakuyomu.jp kakuyomu.jp kakuyomu.jp kakuyomu.jp kakuyomu.jp kakuyomu.jp kakuyomu.jp kakuyomu.jp kakuyomu.jp kakuyomu.jp kakuyomu.jp kakuyomu.jp kakuyomu.jp

書籍化しているカクヨムのおすすめ

カクヨム発って謳ってないものも含めて、書籍版を応援する意味も込めて書籍版で貼ります。 こっちは順不同です。

その他おすすめライトノベル

おまけ

いまだから言える話ですが、なんとか超会議で焼きそばを作っていた人はいないらしいです。でも、チャーハンを作っていたらしいです。一方その頃、自分はぼーっと突っ立ちながら警備してました。

その後はボドゲの説明員とかもっと有意義なお仕事をさせてもらえたのでよかったです。楽しかった…。 最近は希望参加とかになっているので、負担は減っていると思います。入場待機列に並ばないでいいので、休憩時間をうまく調整すれば声優イベントを見に行ったりとかもできて役得でしたので、どうしても優先チケットで超会議に参加したい人がいればドワンゴをおすすめします。最近はかなり融通がききます。

あと最後に干芋のリストおいておきますね。 でもそんなお金あったら↑のリストの本を買ってあげてください。お願いします。

それでは「このライトノベルがすごい 2023」でお会いしましょう。おすすめリスト見ていれば、多分誰だかわかると思いますよ!